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TRPG総合開発研究サイト




 ネクストプレイロール・シミュレーション 

想像力の讃歌【TRPG】の更なる楽しみ方

無限に広がるTRPGのストーリー展開
ゲームマスターの創造にだけ任せるのではなく、プレイヤー自らも創り謳う
共に読み合い探り出す至高の冒険譚…それが
ネクストプレイロール・シミュレーション!!



◎ はじめに
 TRPGの醍醐味は何と云っても
キャンペーンです。一つ一つの積み重ねが、やがて壮大なドラマとなる様はマスターであっても、プレイヤーであっても魅力的で充実感に満たされます。
 しかし、仕事で殆ど暇のない人間にとってキャンペーンを組むのは至難の業と云えるでしょう。益して、人数を揃え、複雑な物語の謎をPC一人一人が場面毎にこなすともなれば、展開の停滞からくる進行具合の遅延等により物語そのものに興味を失う事請け合いでしょう。
 そもそもGM一人に創造の負担が大きいTRPGは、他のテーブルゲームと異なり、相互協力が乏しいと云えます。本来、GMとPCの双方向対話によってのみ成立する訳ですから、負担をGMだけが担うのはおかしいですし、PCの想像力をフルに活用すればGM一人が考えたシナリオを遙かに優れた物語へと変化させる筈です。
 そこで私が編み出した方法がこの【
ネクストプレイロール・シミュレーション】です。

§ ネクストプレイロール・シミュレーションとは
 何て云う事はありません。只の“
予想”或いは“妄想…?”です。しかし、是をするとしないでは面白味が断然違います。
 将棋や囲碁、チェス等では“
長考”があります。是は最前手を読みに読み、悩みに悩み、同時に対手への時間的な疲労感や憔悴感を誘い、又、リズムの変更や流れの変化等をもたらします。是は勝負ですから許されますが、TRPGでは許されません。TRPGはトーク部、特に私の提唱する“ゴシックRPG”では重要です。ゴシックRPGでのトーク部は、音楽で云えばライブです。つまり、このライブ感を損なわずにする為にはリズム感が重要であり、“長考”は以ての外なのです。漫才において、ボケに対してツッコミが遅れれば笑いは起こらない、様にTRPGでのトークの掛け合いは“理屈”よりも“テンポの良さ”が重要です。ホストが客の話題に理路整然と答えるより、テンション高く関心する方が良い、事に似ています。
 回転の速い、若しくは慣れていれば問題はありませんが、TRPGにおける分岐点、つまり選択肢と云うものがコンピューターゲームの様に親切ではないので、その見切りは難しいものです。又、相手がプログラムではなく人間である為、曖昧であると同時に状況変化が著しいのです。
 【
ネクストプレイロール・シミュレーション】を具体的に云うと、キャンペーンシナリオ下での次回シナリオの展開予想をし、GMの言とPCの言動をシミュレーションする事です。簡単に云えば、次回シナリオでPCが“やりたい事”をまとめておくだけの事です。
 “
やりたい事”をまとめておくだけでPCの動きは大分違います。シナリオに対してポジティブになり、GM側(NPC)に意思表示が出来、より完成度の高いストーリーが構築出来ます。
 高度な【
ネクストプレイロール・シミュレーション】では、プレイヤーがGMの立場に立った時を想定して次回シナリオをシミュレーションする等があります。これはソロプレイの応用ですが、「仮想GM」をプレイヤー自ら演じて、自身のPCの能動的な行動を予想する事で、細かな言動一つ一つ細部迄を思い描く事が出来ます。
 但し、あまり展開を“
読み過ぎない”様に気を付けて下さい。セオリーはありますから、読み過ぎてしまうと返って次作をつまらなくしてしまいます。私がネクストプレイロール・シミュレーションでするのは、せいぜいPCの“目的”と“目標”の確認とPCが想像出来うる範囲内でのシチュエーション下での言動、又、“取ってみたい行動”と“云ってみたい科白”、是等を活かす為のシチュエーション作り、後はどれぐらい格好付けられるか(ヒロイックたれるか)ぐらいです。
 
ネクストプレイロール・シミュレーションは、云わばマスターの応用です。又、云い換えれば傾向と対策を練る事です。普段から心掛けていれば、GMとしてもPCとしてもスキルアップします。TRPGは想像力の産物ですから、想像力を鍛える事が最も重要と云えます。想像力を鍛えるには、先入観を出来るだけ捨て、様々なものを見聞きするのが一番手っ取り早いかもしれません。キャラクターシートに表記した数値データに心を馳せたり、ダイスの出目に一喜一憂する前に想像力を鍛えましょう。
 GMはシナリオを用意してくる訳ですから、せめてPCもこれぐらいは準備しましょう。ルールブックとダイス、筆記用具だけでは準備とは云えません。最も重要なのは“
想像力”なのです。

§ネクストプレイロール・シミュレーションによる恩恵
 
ネクストプレイロール・シミュレーションによる恩恵は様々です。
 次回シナリオでの PCの活躍の度合は云う迄もなく、より場面場面の濃密さが深まり、印象的なプレイとマスタリングが可能です。更にPCのキャラクター設定や環境は、よりゲームとの整合性を増し、説得力のある事実として認識し易くなるでしょう。同様にキャラクターの“(キャラクター性)”も表現出来る様になります。
 GMの用意したシナリオの予定調和な場面をPCの
ネクストプレイロール・シミュレーションによる能動的言動によって覆す事も可能です。これは往々にして想像し得なかった素晴らしい物語を紡ぐ事になります。是はキャンペーンが進むに連れて、代え難い貴重な経験と物語を与えてくれる事になるでしょう。
 又、時間短縮にも繋がります。必要なシチュエーションでのトーク部、リドルを除く選択肢的状況やセオリーとしての判断力が増しますから不必要な長考がなくなります。逆に重要な箇所に時間を回せますし、経過的状況を流す事も出来ます。是はショートシナリオにも役立ちます。
 シナリオ終了後、「
感想戦」を行う事が出来ます。普通でもGMが用意した場面での選択肢で実際のプレイと異なった言動をチョイスした場合の結果等を聞く事は出来ますが、ネクストプレイロール・シミュレーションを行っていれば、シチュエーションそのものをPC側から発し、その際の展開をGMと共に想像して結果を得る事も出来ます。
 
ネクストプレイロール・シミュレーションは、何よりもGM、PC共にスキルアップに繋がります。状況展開の発信がGMからの一方通行ではないので、GMにもPC側から様々な選択を迫られている事になるからです。双方向から発信されるシチュエーションは互いの想像力をフル回転させるに十分であり、GMとPCの協力によって創られたTRPGの傑作となる訳です。

§ 御提案
 当サイトでは【ネクストプレイロール・シミュレーション】をお奨め致します。
 TRPGは、如何に優れたGMであってもPCなしでは良い作品は作れません。茶呑み友達の雑談とTRPGは違います。勿論、ゲームですので時間潰し的な手軽さもありますが、少なくとも
キャンペーンシナリオではしっかりとしたものを楽しみたいと考えております。
 GMのレベルアップもさる事ながら、PCの質の底上げに活かして頂ければ幸いです。



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