〜 Hero (King of Kings)
TRPG総合開発研究サイト



 Dungeons & Dragons 

栄光点・技能制・英氣
シンプル且つ多様性に富んだ動的なスコア



・製作意図
 1st、AD&Dを経過し、シンプル且つ汎用性の高い2nd。覚え易く、自由度が高い反面、様々なシチュエーションへの対応が限られてしまいます。又、D&Dのキャラクターシートは書き換えが少ない上、乱数がダイスにのみ頼り切りとなります。
 英雄指向の強いオリジナルワールド【
失楽園(Paradise Lost)】では、よりドラスティック且つドラマティックな展開が必要な為、敢えて動的なシステムを欲したのです。1レベルでも英雄は英雄、この概念の下、PC自身が能動的なアクションを行える様に考えた結果です。
 15年以上前に遡る為、チープさと古臭さは否めませんが、システムそのものは極めてシンプルなので導入し易いと思います。ロール数が増える為、多少手間は掛かりますが、トーク部に主を置いた私自身のマスタリングと世界観には必要不可欠な代物として未だに使用しております。

・留意点
 此処に掲載するシステムは、PCの判断力と想像力、良心に委ねられる自由度の高いものである、と云う事を御理解下さい。従って、DMとPCにはそれなりの経験が必要とされます。DMから一方的にロールを促すタイプのマスタリングには不向きです。又、受動的なプレイヤーには向きません。



 栄光点(Glory Point) 

栄光点
 『栄光点』とは、簡単に云うと二次的な経験点と運点が融合した様なものです。EXPとは異なり、より流動的なもので、考え方としてはEXPが総合的蓄積型の経験でキャラクターそのものの成長に関わり、栄光点は瞬間的消費型の経験でキャラクターの“慣れ”と“知恵”を意味します。より単純に云ってしまえば、汎用システムとしての経験がEXP、オリジナルワールド【失楽園】上での経験がこの栄光点となります。
 栄光点の具体的な利用法は大きく分けて
二通りあります。一つは『技能(SKill)』を取得する為に消費、もう一つが『英氣(Boost)』を使用する事です。

◎初期決定法
 決定方法は至って簡単です。クラスに関係なく「
年齢+1D20」となります。尚、年齢はエルフの場合、1/10ドワーフの場合、1/4ハーフリングの場合、1/2と計算します。栄光点はプレイが始まってから流動的に変化しますので、初期での数値の高低はあまり影響がありませんのでこだわる必要はありません。尚、後述する『洗礼名』を導入した場合には、初期決定法が異なりますので御注意下さい。

◎栄光点の獲得

技能(Skill)
 『
技能』とは、経験的に培った知識や技術を表します。技能は六つの能力値を基本したロールを手助けする効力を持ちます。その技能がどの能力値(STRINTWISCONDEXCHA)と関わりを持つのかはDMの裁量、若しくはPCとの協議の上で決定してみて下さい。
 通常、
能力値ロールは難易度に伴い、3D6、1D20、2D10、2D12、4D6、3D10、1D100等様々なダイスの出目で成否が決定します。技能を有している場合、先ず技能ロールを行う事で能力値ロールを有利(不利)にする事が出来ます。

§技能ロール
 技能ロールは至って簡単です。「
技能値+1D100」が技能達成値となります。予め技能難易度が設定されており、達成値と比較します。DMは難易度をPCに明らかにする必要はありません。
 
達成値が難易度より勝っていた場合、技能は成功しますが能力値ロールには何ら影響を与える事はありません。但し、使用した技能にチェックをしておきます。これは後々の技能値上昇に関わってきます。
 
達成値が難易度より50以上勝っていた場合、技能は成功し、能力値ロールの際、能力値に+1で来ます。同様に100以上勝っていた場合、能力値に+2150以上勝っていた場合、+3、以降、同じ様に50勝る毎に+1されます。又、能力値を上昇させた値と同じだけ栄光点を得る事が出来、チェックも付きます。
 
達成値が難易度に達しない場合、技能は失敗し、能力値ロールの際、能力値は-1されます。加えて、50以上下回った場合、能力値に-2100以上下回った場合、-3、以降、同じ様に50以上下回る毎に-1されます。又、能力値を減少させた値と同じだけ栄光点を失う事になり、チェックも付きません。
 この技能ロールに伴う能力値の増減は一時的、見せ掛けのものであり、
一回の能力値ロールにのみ有効となります。真の意味で能力値が変化する訳ではない事に御注意下さい。尚、能力値の増減に伴い、能力修正値も変化します。
 技能ロールは時に
対人対抗ロールとなる場合もあります。互いの達成値を比較し合うこのロールは、競い合う者同士のロール回数を少なくさせる効果を得ますが、逆に栄光点獲得のチャンスを少なくさせる事にもなります。DMは時間管理と状況をみた上で選択してみて下さい。

例:DEXが12のキャラクターが[体術]の技能(技能値:38)を使用した場合。技能ロールでダイスの出目が74、「38+74」で結果が112。難易度が50に設定されていたので技能は成功、技能値にチェックを付け、50以上勝っていたので+1のボーナスを得て、続くDEXロールは能力値を13として行う事が出来る。能力値が13となる事で能力修正値も+1となる。仮にDEXロールが体術を用いて何らかの攻撃から身を躱すのであれば、このDEXロールを成功させる事でACを1下げる事が出来る。同様にDEXが影響を及ぼすST判定に+1のボーナスを与える事にもなる。但し、これは一時的なものであり、戦闘中であれば1戦闘ラウンドのみの効果となる。

§クリティカルと平目ロール

§技能の取得
 技能の取得は簡単に行えます。初期の決定(PC作成)の際のみ、栄光点1点に付き好きな技能1つの技能値を1点として取得する事が出来ます。
 プレイを始めた以降の技能値の取得は、初期決定時とは異なります。
 取得したい技能がある場合、先ず
栄光点を10点消費します。これにより新たな技能値を1点取得する事が出来ます。但し、技能取得には時間と成否判定が必要になります。1つの技能を取得するのにゲーム時間で一週間以上必要になります。ゲーム時間の一週間の全てを技能習得に使う訳ではなく、その間に冒険も出来ます。技能習得の成否判定は、取得したい技能と関与する能力値ロールが必要となります。この際の能力値ロールは1D100となります。尚、ゲーム時間一週間で能力値乗数は1で、二週間で乗数2三週間で乗数3、以後、一週間毎に乗数は+1されます。つまり、五週間費やせば能力値×5として1D100ロールに望めます。又、栄光点を10点余計に消費すれば、乗数を+1で来ます。成否判定に失敗した場合、消費した栄光点10点は永久に失われます
 但し、上記の取得に関わる時間は便宜的なものでDMの判断で如何様にも変えられます。例えば、低レベルキャラクターの冒険はゲーム時間が一日単位となる訳ですから、より短時間で習得可能にしても構いませんし、成否判定にボーナスを与えるのが妥当かも知れません。又、エキスパートレベル以上のキャラクターが技能習得のみに時間を割いた場合、半分、若しくは一日を8時間と想定し、成否判定で乗数が増える一週間の時間を56時間と定めてみても良いかもしれません。
 ゲームと割り切って考えた方が楽しくプレイ出来ますのでDMはバランスを見て、PCに技能を習得させてあげて下さい。

§技能の習熟
 技能値を上昇させるのは新たな技能を取得するよりも簡単に行えます。技能ロールで成功させ、
チェックの付いている技能には、栄光点1点に付き技能値を1点上昇させる事が出来ます。チェックの付いていない技能は、取得と同様に時間と成否判定が必要となりますが、栄光点1点に付き技能値1点上昇させる事が出来ます。この際、消費する栄光点を2倍にすれば成否判定の乗数も2倍になり、消費を3倍にすれば、乗数も3倍になり、以後、消費と乗数は比例します。
 技能の習熟が習得より簡単なのがおかしいや習熟し困難になる筈の技能上昇が楽過ぎる等、様々な疑問を抱かれるかもしれませんが、敢えて此処では無視しておきます。PCに有利なルールですし、獲得が難し過ぎては利用為難い上、使う機会が乏しくなっては何の為のルールか分かりませんので簡潔、且つ簡単になっております。
 必要に応じて習熟にも成否判定を設けても構いませんが、技能ロールそのものが能力値ロールのサポート的な立場である事をよく御理解下さい。又、技能値の上限等を設けても構いませんが、正直推奨は致し兼ねます。上限を設けない為にも敢えてD%ではなく、1D100ロールを振る事を御理解下さい。

§技能の利用法
 技能ロールは、時にロール結果そのものの効果を加味させる事も出来ます。例えば、六つの能力値の何れとも関与しない技能や個人にのみ効果を表す以外の集団や周囲に齎す効力を持つ技能等が挙げられます。DMはその技能の齎す効果を考え、能力値ロールを必要とせず、技能ロールがダイレクトに成否を表す状況を見分ける必要があります。
 又、高レベルキャラクターが高い技能を用いる場合には、ボーナス、ペナルティの格差が出易い技能ロールを直接、成否判定とする事でよりダイナミックで劇的な効果を演出する事が出来ます。
 おそらく、技能ロールは多くの状況下において一般的なロールより多く行われる事になる筈です。それだけ自由度が高いシステムになっております。制限を与える事ばかりを考えず、可能性を与える為にも技能ロールの頻度を増やしてみて下さい。

英氣(Boost)
 『
英氣』とは、英雄だけに与えられた資質です。栄光点を予め英氣として割り振っておきます。この場合、栄光点1点に付き英氣1点として換算されます。栄光点から英氣への移行は、1ゲーム終了時、若しくは1ゲーム開始前にのみ行う事が出来ます。注意して頂きたいのは、英氣から栄光点には移行出来ない、と云う事です。仮に移行を許した場合、英氣10点毎に栄光点1点とします。但し、これは全く意味のない事ですので、移行可能である旨と無意味である事を良くプレイヤーに確認しておいて下さい。

§英氣の使用
 英氣の使用法と効果は明快です。
技能ロールの際に英氣1点消費する毎に技能値を10点上昇させる事が出来ます。英氣2点消費すれば技能値に+203点消費すれば+30、以降、1点消費毎に+10される事になります。つまり、英氣を使用すればそれだけ技能に成功し易くなります。言わばプレイヤーは、英氣を使用する事である程度、成功率を高める事が出来るのです。ダイスの出目に関与出来ませんが、技能を一時的、見せ掛けとして上昇させる事で多くのチャンスを手にする事が可能です。
 英氣を使用する事で栄光点を得るチャンスも増えます。期待値で計算すれば、単純に英氣を5点使用すれば、栄光点を1点獲得出来る事になります。この事を基本にし、
英氣5点を消費する事で習得済み技能に関与する能力値を+1にする事も出来ます。但し、これは推奨し兼ねます。栄光点獲得のチャンスを失い、無闇に英氣を失う結果になります。英氣は栄光点から移行されて導かれる為、英氣の使用が過度な場合、技能の成長が立ち後れ、結果、バランスが崩れる事に成り兼ねません。DMはよく注意を促してプレイに利用させてみて下さい。



現在、製作途中です。
暫くお待ち下さい。
TOP

Copyright (C) Hero 2004-2005 all rights reserved.